2009年7月18日土曜日

「それでも恋するバルセロナ」

相当笑えて 相当泣けて

生きることと恋愛の位置関係を考えさせる

素晴らしい内容でした



ウディ・アレン作品という点を抜きに観ても

相当腹筋痛かったです

"ガキの使い"の大晦日罰ゲームを見るような気分


「ハモンハモン」の"ハムの人"

(ハビエル・バルデム "ニンニクの人" "「ノーカントリー」のおかっぱの人"でも可)

男前でどことなく大木こだま師匠に似ているそのルックスも相まって

赤いシャツに身をまとい顔のドアップを抜かれたあたりから

かつての彼の出演作(でも断然「ハモンハモン」!スペインだし)が頭をチラつき

あり得ないくらい大胆なプレイボーイ的提案を

2人の若きアメリカ美女(スカーレット・ヨハンソン,レベッカ・ホール)に

同時に吹っ掛けるあたりから 笑いをこらえるのに必死

(しかも 結果的にその大胆な提案に2人は乗っかる!)

公園で待ち合わせするシーンでガウディのトカゲの噴水を見ても笑えてくるくらい

感覚がマヒし 笑いのツボがスクリーン上に増殖して脳内を浸食


その後 形は違えど 2人のアメリカ美女たちは

"ハムの人"ことハビエル・バルデムにメロメロになってゆくわけですが

この2人の恋する心理描写が素晴らしかったです

片やオープン 片や秘めて 同時進行し

最初から火の中に飛び込んでいったり

火の用心という札を貼りながら本能的に火遊びを求めていったり


で 

ペネロペ・クルス登場で俄然面白さ100倍!

ペネロペはハビエル・バルデムと切っても切れない関係

2人はスペイン語が母国語なので 2人が会話する部分はスペイン語を

同じ場に居合わせたアメリカ美女に対しては英語を

並行して使い分けるのですが この会話劇がまた何とも言えず絶妙!


ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムは

情熱的で芸術家肌のスペイン人という

ステレオタイプ(もしくは意図的にやや誇張気味)に

描かれていて

彼や彼女と 登場する合理的で物質主義なアメリカ人との対比や

自分探しやアメリカ的理想の幸福を今まさに手に入れんとする女性たちの

恋愛と生きるという位置関係がぐらぐら揺さぶられる様に

観ているこちらまで えぐられているかのような思いがしました


テーマソングとナレーション 

そしてウディ・アレンお得意のおしゃれな街並みが

随所を引き締めてくれ だらだらせず 

息つく間もなくあっという間の1時間半強でした