2009年7月17日金曜日

「ウルトラミラクルラブストーリー」

横浜聡子監督の「ジャーマン+雨」

長年の勘で観るのを避けてきた映画です

京都みなみ会館で本人来館ありの異例のロングランを続けようとも

TSUTAYAでお手軽にDVDレンタルできようとも

頑なに拒んできました


僕はポップなものが平均以上に好きな男性だと思いますが

例えば 

梅佳代さんあたりから個人的違和感を感じる木村伊兵衛賞受賞の写真家の方々や

同じく長年の勘で未見でありながらも観ると絶対後悔するであろう「かもめ食堂」など

ポップなら何でも受け容れるわけではないどころか 逆に意固地です


前置きが長くなりましたが 

にもかかわらず「ウルトラミラクルラブストーリー」を慌てて観に行った理由は

浅田彰さんとミルクマン斉藤さんという

学生時分に少なからず観るべき映画のチョイスを学ばせていただいたお2人が

ともに公式サイトに絶賛コメントを寄せていることを知ったからです


感想ですが

喜怒哀楽どれにも引っかからずぽかーんと2時間が過ぎてゆきました

退屈も苛立ちも少なく 最後まで観通すことは出来たのですが

何かを得たと思しき感動を映画館から持ち帰ることは出来ませんでした

もちろん 安直に結論めいたものを提示され思考停止するよりは

鑑賞者の想像力に委ねてもらった方がマシなのは言うまでもありませんが

後者に近いながらも思考停止に陥り気味で面喰った感が若干ありました


それでも

観て良かった気はしなくもない何かは残る・・・

という奇妙さ

他作も含め横浜聡子監督については しばし態度保留します


大友良英さんの音楽にアウェイを感じたのは僕だけでしょうか?

もちろん「幽閉者」のラストのような

もはや作品と同化したと言って過言ではない秀逸さは 

初めから求めていませんでしたが

劇中 石川高さんの笙の音が若干むなしく響いて聞こえました


でも いちばんのツッコミどころは

"衣装 伊賀大介"

というエンドロール

どこ? 嫁が羽織っていたあのラヴェンハムかどこかのジャケット?