「ハッシュ!」の橋口亮輔監督最新作。
間違いなく僕の今年ベスト1の映画になると思います。
10年に1作出会えるレベルの傑作です。
個人的に好きな映画を一方的に観て欲しいと
押しつけがましく言うのが嫌いな僕でさえ
この映画だけは1人でも多く
とくに日本人に観て欲しいと本気で言いたいです。
普段は観た映画についてあれこれ書きますが
今回に限っては書く必要性を全く感じません。
人は大切なものを人に伝えたいと思うときほど
寡黙になるものです。
一組の夫婦を通して
1993年から10年間の日本の内側を
社会と個人という
マクロとミクロの双方から描いた作品で
登場人物が全員感情むき出しで本音で語っています。
公式HPおよびパンフに記載されている
著名人のコメントの中から
共感したものを2点 以下に抜粋しておきます。
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この映画の面白さは、過去を水に流さないこと。
この10年に日本に起きた社会的事件の数々を
ある法廷画家の目を通して端々と描く。
───大傑作である。
鈴木敏夫さん
(スタジオジブリ・プロデューサー)
日本映画は、まだ死んでいませんでした。
素晴しく上質な映画に出会えたことを
嬉しく思いました。
"夫婦"というものを描いて、
これ以上の夫婦はいないだろうと感じました。
リリー・フランキーさんと木村多江さんがいい、
特にリリーさんは最高!
おすぎさん
(映画評論家)
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DVD化後に観ても見劣りする作品ではないです。
しかしながら 今このタイミングで観ることを
強くお薦めします。
作品中に日本で実際に起きた有名な事件を模した
法廷でのシーンがいくつか描かれています。
その中で加瀬亮演じる被告が登場するのですが
この加瀬亮のモデルとなっている人物は
つい先日死刑執行された猟奇的殺人犯です。
しかも加瀬亮から発せられるセリフは
あまりにもショッキングな内容の為
あまり公には報道されなかった事実を述べています。
随時笑えるシーンが散りばめられているものの
さすがにこのシーンでは
映画館は水を打ったように静かになり
緊張が走りました。
ひとつだけお節介を焼くと
なるべく体調の良い時に
ご覧になることをお薦めします。
喜怒哀楽全てが表現されていて
しかもその振り幅が
いずれも針を振り切るくらい
大きいからです。
多くの人に観て欲しい強くお薦めする1作ですが
それは誰が観ても面白いということを
必ずしも保証するものではありません。
その理由を作中でリリーさんはこう語っています。
-他人の心なんてわかりっこないさ-
公式HP