2009年5月31日日曜日

TEI TOWA presents "MOTIVATION"

WORLDでTEIさんのプレイ久々に聴きましたが ハンパなく素晴らしい!

プリンスで甘い感じにスタートし

4曲目あたりでBlur"Song 2"をかけたときには既に出来上がっていて

KISSやらドゥービー・ブラザーズやらのスタンダード・ナンバー連発しても

安っぽさや嫌みな感じがなくフロアが揺れるくらい盛り上がる 完璧!

極めつけはラストの"い・け・な・い ルージュ・マジック"

笑い泣きしながら"雨上がりの夜空に"を大声で歌ったあの湿っぽい感じが全くなくて

曲のつながりにさらっと溶け込み むしろ乾いた感じ

あくまでリアルタイムなチューンとして"オー・ベイベ~"と合唱させるところが

逆にグッと来てしまいました









<









2009年5月28日木曜日

日本でアート・マネジメントがうまくいかない理由

文化庁が助成する勉強会に参加しています

テーマは"地域におけるアート・マネジメント"

アートの創造性が地域社会の活性化に果たして役に立っているのか?
あるいは 役立つためにはどうしたらよいか?
といった議題を 毎回ゲスト講師を招き議論しています

面白いことに 立場が変わると見解が全く違うのです

神戸市が顕著な例で
神戸市はユネスコの創造都市ネットワークに"デザイン都市"として認定
されたのですが
盛り上がっているのは行政とそれに懇意な文化人と財界人だけで
(ユネスコへの申請を提案したのは神戸市に本社を置く某外食産業の企業だとか!)
現場でアートを実践したりコーディネートしたりしている人たちからは
少なからず冷やかな目で見られているとのこと

冷やかな理由は民間のとある現場からの声曰く
神戸市は代々助役→市長という暗黙のキャリアパスがあり
それを各界有力者がバックアップするという保守的な構造の副産物として
保守的な基盤を文化の側面で支える保守的な文化人の方々が
神戸のアート界で少なからぬ発言力を有しており
上記理由において息苦しい閉塞感があるとのこと
殊更コンテンポラリー・アートにとっては不遇な街なのだとか
(ただ 最近大阪から拠点を移したばかりとはいえ優れた例外は存在します)

方や行政はJ.ジェイコブズ→C.ランドリー→R.フロリダと一連の創造都市論の系譜を
なぞらえる学者とユネスコの錦の御旗の下 
"デザイン都市宣言"と鼻息荒いわけです

折角行政から予算が重点配分されうる環境にあるわけですから
もっと仲良くやればいいのに…と端から見て思ってしまいますが
仲良くできない 仲良くしたくない 民間サイドの気持ちもわかります

前衛的なコンテンポラリー・アートほど公的支援を得られにくい現状は
神戸市のみならず日本全体に言える傾向です
もともと需要が少ない分野ゆえ
数値的な経済波及効果のみを判断材料にすると厳しいのみならず
非数値的なメリットを一般市民から理解を得ることも困難です

だからこそ国なり行政なり(あるいは財団)がしっかりと
公的支援しなければならないのですが
(こんな議論はアメリカで50年以上も前からとっくになされています)
国はマンガやアニメを核とした文化産業・コンテンツ産業の振興に躍起となり
(本来"金は出しても口は出さない"のが文化政策の鉄則ですから
そもそも特定の分野に特化した公的支援は長期的に観れば必ず失敗します)
文化産業>伝統芸能>コンテンポラリー・アートという
予算配分上の優先順位は揺るぎないですから
現状は逆風に近いと言えるでしょう

そうなると結局アートマネージャーのなすべき一番の役割は
ファンド・レイジング(アーティストが活動するための資金集め)であるという
極めてリアルな夢が無い結論に至るわけです

たしかに夢は無いですが 
避けては通れぬ道なのでしょう

そして資金を集めるためには 
活動内容に理解や関心を得る必要があり・・・と
ここから先は教科書通りの話になってしまうわけで
日本におけるアート・マネジメントはまだまだくちばしが青く
特に地域社会との関わりという切り口でとらえた場合には
先は長そうです









2009年5月12日火曜日

Gaspar Noe

ギャスパー・ノエの新作"Enter The Void"で

Daft Punkのトーマが音楽を担当したというニュースに

顔がニヤけてしまいました

"TRON"のリメイクもDaft Punkと聞いた気はしますが

こちらは映画の内容と音楽がある程度イメージ湧きます

一方 "Enter The Void"は

ダークなパリの人や風景を撮り続けてきた気鋭の監督が

東京のダークサイドにカメラを回したというところと

それに見合う音楽をどう乗せてくるのかという意味において

興味が尽きません


"CARNE"が当時数多く日本公開された

おしゃれフランス映画を嘲笑するかのごとく

冒頭からスクリーンを馬を屠殺する真赤な血で染めた

あの衝撃から何年経ったのでしょう?

"CARNE"とは"安い食用の(主に馬)肉"を蔑んだニュアンスで言った言葉で

物語はその安っぽい肉を売る肉屋の男と幼い娘にまつわる

ハッピーエンドやヒューマニズムなどとは程遠い 

ひたすら暗い内容なのですが

パリで低賃金で暮らす孤独な一人の男の悲哀が実によく伝わってきました



(過激な動画は苦手な方もいらっしゃると思いあえて避けました)


続編"カノン"で男は 

もはや笑うしかない域から 笑うに笑えない底まで転げ落ち

明るい光がさす隙間すらも さらになくなりました


ここまではスムーズに流れに乗れたのですが

個人的に頭を抱えてしまったのが 次作"アレックス"

モニカ・ベルッチの過激なシーンでご存じの方もいるかと思われますが

救いの無い深い憎悪から来る怒りに満ちた暴力をいきなり冒頭で見せられ

不意打ちをくらったかのように 思わずスクリーンから目をそむけそうになりました

(ちなみに僕はホラー映画や残酷なシーンを比較的抵抗なく観ることが出来ます)

その 時間を逆回転にねじで巻いた怒りは 

次第に詳細が明らかになってゆくのですが

上記の挑発的な構成と演出のおかがで 

気持ちがかなり重くなってしまったのです



そんな理由で "アレックス"は 駄作とは全く思わないですが 

好きとも嫌いとも何とも言い切れないです

新作のニュースを聞き 再度"アレックス"を観て白黒ハッキリさせたくなりました

好きな監督なだけに 落とし前をつけて新作に臨みたいところです





ちなみにこのような比較的ポップ(?)な短編もあります




Daft Punkといえば こんな愉快なMADも…











2009年5月3日日曜日

「スラムドッグ$ミリオネア」

運命という夢に酔うか 出来過ぎた偶然と現実に覚めるか

紙一重なところが現実的で 

すごく良かった


生きている中で運命と思う出来事なんて

やたらあるものではないと思う

何でも運命に結びつける考え方には共感など出来っこない


それでも生きていると

運命としか思えない出来事に遭遇し

生きている喜びを実感出来るから面白い

人生の節目や転機になる出来事というのは

意図して行動したことよりも

偶然に引き寄せられることの方が

案外多いもののような気がする


そしてその偶然はどこか

偶然と片づけるには余りにも出来過ぎていて

運命という謎めいた言葉に

謎を解いてもらう他ない


普段の自分ならば 

インドの置かれた社会的状況などに

目がいきがちな作品だと思う

だが今回は 作品の情緒的な部分

すなわち 主人公に感情移入しながら観ていたのは

自らの心象風景とシンクロするところがあり

共感する点が多々あったからに違いない


心に残る名作という意味とは別の次元で

忘れられない1本になりそうだ




















ダニー・ボイルって

昔広島カープに居た*ランスみたいだなぁ

エンドロールでコレを思い出し 一気に冷めた…



*打率2割1分くらいでホームラン王と三振王の2冠を制した外国人打者