2007年10月24日水曜日

「追悼のざわめき」

う~ん 期待が大きすぎたかな。
敬愛する”変態芸術家”会田誠や
ナナナンキリコさんが絶賛して
なおかつ「各国税関でストップ!」とか
「映写技師が試写中に嘔吐!」とか
素敵なキャッチコピーがチラシに踊っていたので
こりゃ観ないかんだろう と思ったのだが。

近親相姦 人形愛 傷痍軍人 ルンペン 
奇形 ゲロ グロ カリバニズム
上記のような通常「放送禁止」的なものに
真正面から向き合っている点は
20年前の日本映画としては
かなり前衛的であっただろうとは思う。
でも何となく 
品揃えだけ良くて優秀な販売員がいないデパートのような
印象を個人的には受けた。

いまひとつ解せない点は
これだけ鬼畜のオンパレードが続きながらも
ラストはせつなくてヒューマニズムのにおいが
プンプン漂ってきたところ。
アブノーマルでアナーキーな鬼畜映画ならば
とことん欲望に耽るか
逆にどん底に堕ちるまで残虐になるかの方が
個人的には好みだ。
このへんが映画よりも小説の方が
どうしても面白いと思ってしまう点だ。
さらに言うと 
人肉食べさせたら佐川一政には叶わないわけで
結局事実は小説よりも奇なり という命題が
証明されてしまう。
(それを言ってはおしまいなところはあるが。)

「映画の途中で退席する観客が続出!」とか
言われていたけれど
僕はそんなに気持ち悪さは感じなかった。
むしろ 物足りなさが残った。