ホウ・シャオシェンをして
「ヌーベルバーグの時代にゴダールの 『勝手にしやがれ』が現れた衝撃と同じだろう。」
と言わしめた
ヤン・イクチュン監督のデビュー作にして韓国映画の金字塔を予感させる傑作
登場人物が抱える家族への憎しみから来る暴力が終始スクリーンに飛び交う
その暴力の裏側には同じく家族に対する愛情が隠れ込んでおり いわば裏表の関係
主人公のチンピラ サンフンが女子高生 ヨニと出逢うことで
オセロ盤の上で暴力は愛情にひっくり返り世界は一変しようとする
だが盤上にはひっくり返せ得ない石があることも同時に露呈してゆく
感情むき出しの激しい演技と垣間見せる心温まるシーンが交差し
まさに タイトル通り(「息もできない」)