2007年8月24日金曜日

「遠くの空に消えた」

行定勲監督のSF作品。



子どもと大人の違いとは

奇蹟を信じるかどうか

星空を眺めて 純粋に綺麗だと言えるかどうか

いたずらは正義であると思えるかどうか



岩井俊二の「打ち上げ花火〜」を観たときの
胸がキュンとする感覚を思い出した。

エンディングで流れるCoccoの曲に
満たされた気持ちを委ねた。

終わりゆく夏に ありがとう と言いたくなる
内に秘めた少年が顔を覗かせる作品。



2007年8月18日土曜日

「恋愛睡眠のすすめ」

もし夢を見るなら
僕はあの娘の夢を見るだろう

もし夢が叶うなら
僕はあの娘に好きだと告げるだろう

もし夢が現実になるなら
僕はあの娘にふられるだろう

もし夢が夢のままでいられるなら
僕はずっとあの娘を見守り続けるだろう



「夕凪の街 桜の国」

この映画を観るまでは
広島市民にとって原爆とは
忘れられないものだとばかり思っていた。

だが実際は
忘れてしまいたいほど忌まわしく
知らぬふりをしていたいほど関わりたくないものだった。

銭湯で焼けただれた肌を
何事もないかのように無言で洗い流す女性たちの姿に
それは象徴的に描かれていた。

しかしながら そんな語りたくない過去も
広島市民の中では家族というフィルターを通して
否応無しに継承されてゆく。

原爆は 忘れられないもの


ではなく 忘れないものだった。

2007年8月2日木曜日

「アヒルと鴨のコインロッカー」

よくある話だ。
実家が自営業で跡を継ぐだの継がないだのをあやふやにして
仙台にある大学に通うために一人暮らしを始めて
没個性的なスーツ姿で入学式に出席して
バスを待つ間になんとなく友達っぽくなった人と
「牛タン食べた?」なんてつまらぬ会話をする。
引越しの挨拶に「ひよこ」を持っていくと
隣の住人がブータン人だったりする。
実によくある話だ。

よくある話は 突如として 予期せぬ話に変わった。

原作の力だろうか。
この映画は完璧に近いと言っていいほど
ストーリーづくりが上手い。
瑛太は1時間前の瑛太に見えない。

日頃周りの出来事が
すべて見たまま真実であると信じて疑わない人に
是非この映画を観てほしい。
嘘は時として真実を語るという事がわかるはずだ。