2005年9月17日土曜日

「バッド・エデュケーション」

アルモドバル映画の不敗神話は続く。ハズレなし!

正直今回は心配だった。
噂によると、アルモドバルの半自伝的作品で、背教的なホモセクシャルの話。
クリスチャンでもなくヘテロな僕がどこまでこの作品の核心に触れられるのか・・・

だが、心配するだけ無駄だった。
本作には、性を超えた愛と、愛するがゆえに引き起こされる悲劇、そしてその悲劇を
受け入れなければならない運命の罪深さが、実に濃厚に描かれている。

タイプ打ちかけのイグナシオの手紙を受け取ったエンリケと、重々しい音楽とともに
語られる登場人物のその後の人生。

この映画はアルモドバルにとって作ることが義務であり、
またいちばん作りたかった映画であるに違いない。

ハートフルな場面は無いに等しい。
しかしながら、少年時代のイグナシオが歌う「ムーン・リバー」と「帰れソレントへ」の
変声期前特有の美声は一見に値する。

果たしてどの部分がアルモドバルの実体験なのだろうか・・・