2009年5月12日火曜日

Gaspar Noe

ギャスパー・ノエの新作"Enter The Void"で

Daft Punkのトーマが音楽を担当したというニュースに

顔がニヤけてしまいました

"TRON"のリメイクもDaft Punkと聞いた気はしますが

こちらは映画の内容と音楽がある程度イメージ湧きます

一方 "Enter The Void"は

ダークなパリの人や風景を撮り続けてきた気鋭の監督が

東京のダークサイドにカメラを回したというところと

それに見合う音楽をどう乗せてくるのかという意味において

興味が尽きません


"CARNE"が当時数多く日本公開された

おしゃれフランス映画を嘲笑するかのごとく

冒頭からスクリーンを馬を屠殺する真赤な血で染めた

あの衝撃から何年経ったのでしょう?

"CARNE"とは"安い食用の(主に馬)肉"を蔑んだニュアンスで言った言葉で

物語はその安っぽい肉を売る肉屋の男と幼い娘にまつわる

ハッピーエンドやヒューマニズムなどとは程遠い 

ひたすら暗い内容なのですが

パリで低賃金で暮らす孤独な一人の男の悲哀が実によく伝わってきました



(過激な動画は苦手な方もいらっしゃると思いあえて避けました)


続編"カノン"で男は 

もはや笑うしかない域から 笑うに笑えない底まで転げ落ち

明るい光がさす隙間すらも さらになくなりました


ここまではスムーズに流れに乗れたのですが

個人的に頭を抱えてしまったのが 次作"アレックス"

モニカ・ベルッチの過激なシーンでご存じの方もいるかと思われますが

救いの無い深い憎悪から来る怒りに満ちた暴力をいきなり冒頭で見せられ

不意打ちをくらったかのように 思わずスクリーンから目をそむけそうになりました

(ちなみに僕はホラー映画や残酷なシーンを比較的抵抗なく観ることが出来ます)

その 時間を逆回転にねじで巻いた怒りは 

次第に詳細が明らかになってゆくのですが

上記の挑発的な構成と演出のおかがで 

気持ちがかなり重くなってしまったのです



そんな理由で "アレックス"は 駄作とは全く思わないですが 

好きとも嫌いとも何とも言い切れないです

新作のニュースを聞き 再度"アレックス"を観て白黒ハッキリさせたくなりました

好きな監督なだけに 落とし前をつけて新作に臨みたいところです





ちなみにこのような比較的ポップ(?)な短編もあります




Daft Punkといえば こんな愉快なMADも…