2009年3月23日月曜日

BECK in Zepp Osaka 20090322

BECKは"今回のアルバムがどう"とか
"ライブでこの曲やってくれないなんて!"と一喜一憂せず
出会ったとき受けた衝撃的な初期衝動をずっと持続させてくれる
揺るぎない存在です

"ベック"=スゴ腕ギタリスト(ジェフ・ベック)という連想ゲームが
当たり前だった90年代も半ばに差し掛かった頃
自らを"負け犬"と称する1曲と運命的に出会い
後頭部を思い切りガツンと得体のしれない鈍器で殴られました

居ても立ってもいられず 「Loser」のレコードを探しまわる日々
やっとのことで見つけた 奈良にある有名な謎のレコード店
渇望していたモノが手に入るときの喜びとありがたみを
噛み締めながら家路につき 何度も何度も針を落とし聴き耽りました

以来 BECKのJAPAN TOUR は皆勤賞です

毎回脱力するような演出で楽しませてくれるBECK
今回は前座の
"東急ハンズで買ったような手品を
80年代ハードロック風シンセ(例.ヴァン・ヘイレン"JUMP")をBGMに披露し
その後再び明転して何事もなかったかのようにセッティングする"
という すばらしすぎる脱力系ネタでした

「GAMMA RAY」~「DEVIL'S HAIRCUT」という序盤から
「NAUSEA」「QUE ONDA GUERO」に至るまで
新作アルバム「MODERN GUILT」風味でコトコト煮込まれ溶け込み
スープが隅々まで浸み渡っている感じ


・・・かと思うと DSリズム天国感覚で遊び心満載「HELL YES」や
イントロ後いきなりパンクに転調したせいで
思わずヘッドバンギングして"Xジャンプ!"したくなった「GIRL」など
相変わらず小ネタの効いたアレンジの嵐!

でも彼のいちばん感心させれるところは
「LOSER」を一度として同じアレンジでやらない
粋なところではないでしょうか



アンコールの「SEXX LAWS」まであっという間
毎回観終わったあとの腹八分目な感覚も相変わらずですが
それも許せてしまう寛容さは
肩の力が入り過ぎていないなりに完璧な
エンターテイメント性高いステージパフォーマンスへの
裏返しだったりします

白色LEDの上で写真が動くような映像のアートセンスにぬかりがないのも
フルクサスで名をはせた芸術家を祖父に持つ彼ならでは 
こちらも毎回流石です


ライブ前にカンテ・グランデ本店でお茶したのですが
話題の中心のひとつが

ジェーン・バーキンについて

でした