2007年3月30日金曜日

「フリージア」

久々に良質な日本のバイオレンス映画を観た。
「バトルロワイヤル」以来か。
さすがは「鬼畜大宴会」の監督作品だけある。

個人的に良かった点は
初期の北野武映画にも通じるような
勧善懲悪ではない 善悪を超えてかつ感情を排した
クールなバイオレンスさだ。
特に主人公ヒロシ(玉山鉄二)の演技が良い。
人の話を聞いているのかわからないような
無感情で不感症でありながらも
射撃の腕だけはもの凄い腕を持っているという
難解なキャラ設定を見事にこなしている。
「手紙」「NANA」と今回で
彼はやはりいい役者さんであることを確信した。

起承転結やオチのようなはっきりとしたものはなく
むしろ謎が残ったまま映画は終わるのだが
ラストのヒロシとトシオの西部劇まがいの決闘シーンは
とても男らしくて 美しかった。
時間にして1秒。
この一瞬のために2時間があったと言っても
過言では無いだろう。

原作は読んでいないので知らないが
脚本は相当書き換えられたものらしい。
原作を知る・知らない問わずおすすめしたい。
観終わって何だかスカッとした。