2008年1月16日水曜日

「アース」

日曜日にMOVIX京都にて
映画「アース」を鑑賞。

内容は「ディープ・ブルー」の続編という位置づけだが
メッセージを敢えて投げかけず
淡々と生物たちの生態を描写していた
「ディープ・ブルー」とは対照的に
地球温暖化によって動物たちの生命が脅かされている
というメッセージが前面に出ていた。

一言で言うと WWFに募金しよう という内容。
「ディープ・ブルー」よりも「不都合な真実」に近い。

この種の映画に「かわいそう」という視点を持ち込むのは
意味が無い。
飢えたホッキョクグマがかわいそうなら 
狙われるセイウチだってかわいそう
群れで襲い掛かられるゾウがかわいそうなら
おなかを空かしているライオンの赤ちゃんだってかわいそう。

ただここから読み取れることがひとつだけある。
彼らは必要最低限の殺生しかしていないということだ。
飢えに備えて大量に狩りをしてエサをストックしておく
ことはなく 空腹ギリギリまで狩りをしない。
食欲というものが快楽につながっている人間に比べ
食欲は生存的欲求を満たすものにすぎない。

だが皮肉なことに 
飽食にまみれむさぼり食うだけ食った人間が排出した
二酸化炭素の影響で
自然環境が変化し 生態系のバランスを乱している。

であるとするならば
たとえ遅きに逸した感は否めないとはいえ
自然をかつての状態に近づける努力を
人間はするべきかもしれない。

だが「循環型社会」とか「サスティナビリティ」とか
言うと耳障りはいいわけだが
本気で取り組もうとすると血のにじむような努力と
欲望に耐え忍ぶただならぬ忍耐力が必要だ。
この「豊かな社会」を享受しまくっている日々の生活を
変えるために腹をくくれる人はどれだけいるのだろうか。
ペットボトルをどうこうとかレジ袋がどうこうとかいう
レベルでは もはや北極の氷を元通りにすることはできない。

とはいえ 地球温暖化を起こしたのは 人間である。
このまま温暖化を進行させ
恐竜のように滅びる日を待つのか。

我々に投げかけられたボールは とても速くて重い。
このボールをどのようにキャッチするべきなのか
僕には受け止める自信がない。