2005年7月26日火曜日

「愛の神、エロス」

「欲望」(BLOW UP)で名高い(ハービー・ハンコックによるサントラも超カッコイイですよね!)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督が、ウォン・カーウァイとスティーヴン・ソダーバーグを指名して企画した、「エロス」をテーマにしたオムニバス映画、
「愛の神、エロス」を観ました。

・・・でも、肝心な言いだしっぺのアントニオーニの作品がサッパリで、ピンと来ないんです!(怒)
海岸で全裸で踊る女性なんて、僕にはちっとも「エロ」じゃなかった。
御大とのジェネレーションギャップを感じてしまいました。ガッカリ。

秀逸だったのは予想通り、ウォン・カーウァイでした。
コン・リー扮する高級娼婦(マジで美人!)が、新米の仕立て屋(おそらく童貞)の下半身を弄って、
「良い服を仕立てる為には、この感覚を忘れちゃダメよ。」
これですよ、コレ!
別に裸体を露出しないでも「エロ」は十分描けるんですよ。
アントニオーニとは全く対照的に、ウォン・カーウァイの作品は徹底的に
服を着せてゆくことによってエロスを描写するという、いわば逆説的な手法で
見事な仕上がり具合でした。
カメラワークは言うまでも無くクリストファー・ドイルです。

ソダーバーグの作品は冗長で退屈に感じましたが、
ラスト3分の「オチ」のための「枕」だったということが分かると、腑に落ちました。

総じてまあまあ、ってとこでしょうか。