イギリスのインディ・レーベルクリエイション・レコーズの歴史を創始者アラン・マッギーのインタビューを中心に振り返るドキュメンタリー。
クリエイションの成功をプライマル・スクリーム「スクリーマデリカ」と位置付けるならば、その花が開いたことと
アラン・マッギーが拠点をあのハシエンダがあるマンチェスターに移した影響は計り知れない。
ひとつは「アシッド・ハウス」という流行語なのかジャンルなのかさえもあいまいなくらい音楽シーンを席巻したマンチェスター発のクラブ・ミュージックとの接近。
そしてもうひとつは、ハシエンダに出入りして音に浸るうちに音以上にのめり込んでいったかもしれないドラッグ。
アランがプライマルのボビーにドラッグをすすめた話が本編アランのインタビューによって語られていたが、後にプライマル・スクリームが「loaded」でヒットを飛ばし
そして傑作アルバム「スクリーマデリカ」を完成させたこととドラッグの件は無関係ではないとみるのが自然なように思える。
マンチェスターに移りプライマルが成功をおさめたころのアランは、より高いところへと向かうためドラッグに自らを染めていったのだろう。
しかし、経営が悪化し大手ソニーの力を借り次第にインディ・レーベル色が薄れていったころのアランは、不安定な精神状態をドラッグに溺れることで
なんとかバランスを取ろうとしていたのかもしれない。
それでもその後OASISというダイヤの原石を見出したりクリエイションで華々しくデビューを飾り一度はレーベルを去ったジーザス&メリーチェインが行き場に迷うと
救いの手をさしのべるあたりの目利きと人間味は確かなものであり、胸が熱くなる。
結局経営が立ち行かなくなったためレーベルの歴史は幕を下ろすこととなったが、クリエイション・レコーズが輩出したバンドや出身のミュージシャンは
音楽史を第一線で書き換え続けている。
