2013年3月12日火曜日

「脳男」

主人公「脳男」の生きざまを象徴するかのようにカラヴァッジョが引用されていて、すぐさまメランコリア」を思い出した。
キルスティン・ダンストが不安定な情緒に導かれるようにバウハウス系抽象絵画をカラヴァッジョに掛け替える、とても印象的なシーン。
その後彼女が辿り着いたあの境地と、「脳男」の登場人物それぞれの根底にある感情/無感情は、はたして似ているのか違うのか。


あと気になったのは、「脳男」とともに物語の核心部分を形づくってゆく女性精神科医の机の上に、
比較的目立つように置かれていた『逆抵抗 心理療法家のつまずきとその解決とい本。
調べたところ、治療する側の無意識のバイアスが治療される側にマイナスの影響を与える(「逆抵抗」)可能性があることについて書かれているらしい。
鑑賞後にこの「逆抵抗」という存在を知れたのは、この映画を振り返る上でとても有意義だった。


人は多くの「真実」と思って疑わないバイアスを一生疑わないまま生きていて、
「『真実』という仮面をかぶった自覚がないという偏りがある」純粋さは人生にドラマを生みだしているのかもしれない。