「カルネ」「カノン」「アレックス」で
パリの汚くてアンダーグラウンドな一面をフォーカスし
その焦点に潜むわずかな純粋さに救いを求める映画監督
ギャスパー・ノエの公私にわたるパートナー
ルシール・アザリロヴィック初の長編映画。
(注:上記のギャスパー評は僕の勝手な解釈なので
異論のある方にはあらかじめお詫びします。
ついでに言えば「カルネ」と「カノン」は大好きですが
「アレックス」だけは苦手です。
良さがわかりません。)
結論を急げば ギャスパーの映画より好き。
背景だけ簡単に触れておくと
外界から遮断された森に陰鬱とした建物がそびえる。
そこは6歳から12歳までの少女だけが学ぶ学校で
厳しい規則に従い 生物やダンスのレッスンが
日夜繰り広げられる。
新入生は毎回棺桶に入れられて運ばれて来るのだが
同様にしてイリスというひとりの少女が
運ばれて来たところから
物語は始まる。
察した方もいるかと思うが
内容は究極のロリータ映画だ。
ギャスパーの映画では血(生理)や性行為によって
エロスが直接的に描かれているが
ルシールは逆に
徹底的に無垢な少女の純真さにこだわることによって
寓話的なエロティシズムを表現するのに
成功している。
少女たちは皆オーディションで選ばれたそうだが
とにかく主役のイリスが何とも言えずかわいい。
決して美少女過ぎず
歯も発育途中でところどころ抜けている。
そしてカメラの前で愛くるしい表情や不安に満ちた目
上級生にいじめられて泣き叫んだりする
そのひとつひとつがいとおしい。
キューンと来る。
そのイリスの良き世話役であり
大の仲良しである最上級生ビアンカが
学校を卒業するところで
物語は終わる。
学校の外にある世界とはどんなところか
自由となったビアンカはどう生きるのか
エンディングまで目が離せなかった。
ラストは案外 予想したものに近かったが
逆に予想通りでホッとした気分になれた。
とにかく 美しい!